家の外構に関する用語 筧と掛け樋:和の庭に涼を呼ぶ水音の仕掛け
筧(かけひ)と掛け樋(かけどい)。それは、日本庭園において涼やかな水音を奏でる、古くから愛されてきた仕掛けです。その音は、夏の暑さを忘れさせてくれるだけでなく、訪れる人の心を癒し、静寂の中に奥深さを感じさせると言われています。筧とは、竹や木を半分に割るか、刳り抜いて作られた樋のこと。そこから流れ落ちる水を受けるのが、自然石や陶器などで作られた蹲(つくばい)です。水は蹲に溜まり、そこから地中に浸透していきます。一方、掛け樋は、屋根の軒先に設置される樋を指します。雨水を効率的に排水する役割を担うと同時に、その水が軒先から落ちる音が、涼感を演出する効果も持っています。筧と掛け樋の歴史は古く、平安時代には既に存在していたと言われています。当時の貴族たちは、庭園に筧や掛け樋を設置することで、自然と一体となる空間を作り上げていました。そして、その涼やかな音色を楽しむという、日本独自の美意識を育んでいったのです。
